きみは赤ちゃん/川上未映子
帯にもあるようにまさに号泣して、爆笑して命の愛おしさを感じる1冊!
少し前、8月に娘がRSウイルスで入院した時に、隙を見てそそくさと読んだものです。
作者が帝王切開で出産する時の痛みを、おなかの中で数人の益荒男たちな渾身の力でもちつき大会を繰り広げていると表現をしてて、笑いを堪えるのに必死でした(笑)
印象的なフレーズ
★生まれたばかりの息子がただ存在しているだけで胸の底からいとしいというかかわいいというか、なんといってよいのか見当もつかない気持ちであふれているのに、それとおなじだけ、こわいのだ。息子の存在がこわいというのではなくて、その命というか存在が、あまりにもろく、あまりに頼りなくて、なにもかもが奇跡のようなあやうさで成り立っている、そしてこれまで成り立ってきた、ということへの感嘆というか、畏怖というか、それはそんな、こわさだった。
母親というものは、これまで、言葉があるときもないときも、ただただひとりで孤独に、こういうことをくりかえしてきたのだ。誰にも伝えられない痛みに耐え、自分も赤ちゃんも死んでしまうかもしれない状態のなかで赤ちゃんを生み、そしてすべての母親に、こんなような最初の夜があったのだ。
★誕生日におめでとうっていうのはきっと、この1年ぶじにみんなが一緒に生きることができたっていうことにたいするおめでとうで、そしてそれは本当にすごいことなのだとそういうかも知らない。1年間、毎日を生きて、大きくなるってことは、本当はすごいことなんだと。ぜんぜんあたりまえのことなんかじゃないんだと。
他にも「あーわかるなぁ」って思うところがたくさんあって、赤ちゃんを産んで育てるって大変だけど、楽しいよね!尊いよね!ってポジティブな気持ちになれるので、日々頑張ってるママさんたちにおすすめしたい本です。
コロナ禍入院のため面会も付き添い交代も出来ず、まぁまぁハードでしたが、この本が女友達とおしゃべりしているような感覚をくれました。